ヨタカ

 怪鴟・夜鷹。広義には鳥綱ヨタカ目ヨタカ科。クチバシは小さいですが、口そのものは非常に大きく、目の下のほうまで裂けています。口を開けたヨダカの不気味なこと。口裂け女を思わせ、大きな口を開け威嚇されます。グロテスクな姿。地べたに腹ベッタリで座ります。宮沢賢治が「ヨタカの星」を書いた意味が分かります。

 明るい林にすみ、夜間、空中を飛び回りながら飛んでいる昆虫をとって食べます。その際、大きく開いた口とその周りの剛毛は捕虫網の役を果たすことになります。

 フクロウ類同様、羽毛が非常に柔らかいため、飛んでいる時羽音はまったくしません。木の枝にはほかの鳥と違って並行に止まり、じっとしていると木のこぶのようにみえます。

 地上に卵を産んで温めますが、巣らしい巣はほとんどつくりません。一腹卵数は1〜3個。抱卵、育雛は雌雄ともに行います。翼や尾に長い羽毛をもつ種では、繁殖期にその飾り羽をはためかせて飛ぶ空中ディスプレーがみられます。

 日本には夏鳥として4〜5月に渡来し、各地で繁殖します。夕方から夜間にかけて、「キョキョキョキョ」という声で鳴きます。浅間高原に渡ってくるのは5月下旬。冷気の欲しくなるころの宵闇にキヨッキヨッキヨッと速いリズムの音が聞こえてきます。夜鷹と言っても猛禽類ではありません。
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