カッコウ

 郭公。鳥綱ホトトギス目ホトトギス科。閑古鳥ともいいます。全長約35センチ、体上面と胸は灰色、腹は白地に黒い横縞。尾は長くて、翼も細長い。飛んだときの格好は、タカ類に似ています。倒産寸前の商人が聞くと「閑古鳥」が鳴いていると聞こえます。

 冬季は、南方の温暖な地方に渡って越冬します。日本で鳴き声が聞かれるのは5月中旬から7月中旬頃にかけてであります。この時期に、同じ類のホトトギスやツツドリと同様、自分では巣をつくらずに、ほかの種の鳥の巣に自分の卵を産み込みます。

 カッコウが主に托卵するのは、ヨシキリ類、モズ類、ホオジロ類、セキレイ類です。雌はそれぞれ一定の範囲の地域にすみつき、それらの鳥の繁殖状況をみて回ります。そして、それら「仮親」が産卵を始めますと、卵を一つ抜き取り、自分の卵を一つ産み付けます。卵は仮親のものと色や模様がよく似ていることが多いですが、大きさはやや大きいです。

 雛は、仮親のよりも1〜3日早く孵化します。孵化後しばらくしますと、まだ孵化していない仮親の卵を背中に一つずつのせて、巣の外にほうり出してしまいます。こうして巣内を独占し、その後の仮親の世話を自分だけのものにしてしまいます。巣立つころには、雛は仮親の何倍も大きくなり、盛んに食物をねだります。毛虫を好んで食べます。巣立ち後も1か月以上にもわたって仮親の世話を受けます。

 カッコウの鳴き声は春を告げるものとされました。古代ギリシアでは、カッコウが鳴くと畑を耕し始め、ドイツやイギリスでも初鳴きを喜びをもって迎えました。中国でも農耕の始めとし、日本では豆播き鳥とよんで、声を聞くと豆を播くという所が多いです。またカッコウが早くくれば豊年、遅ければ凶年という伝えもあります。

 日本には、カッコウの托卵性を説明する昔話もあり、カッコウはお姫様で育児ができませんので、乳母のモズに子供を育ててもらうなどといいます。カッコウの名の由来譚には、母の背中を掻くことを断った子が、母の死後、鳥になって「掻こう」といって鳴くという話もあります。


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