イスカ

 交喙。鳥綱スズメ目アトリ科の鳥。 17p。

 秋にわたってくる冬鳥。赤松の多い浅間高原では、よく見られ、赤松の松ぼっくりを好んで食べています。クチバシの上下が食い違っていて、枝についている松、トウヒなどの針葉樹の球果の鱗片(りんぺん)を、この嘴でねじって縦に裂き、中の種子を舌で取り出して食べます。

 ことわざに『イスカのはしの食い違い』という言葉があり、イスカのクチバシが食い違っているところから、ものごとが食い違って、思うようにならないことのたとえとして使っています。

 赤は雄、緑は雌と性別によって体の色に違いがあります。生態的には冬の渡り鳥ですが、日本の森林に松の実が豊富にあれば、北に帰る必要もなく、冬でも温暖な日本で子育てをしようとするものもいて、春先の浅間北麓かで見られることもあります。

 繁殖期は定まっておらず、針葉樹の実をたくさん食べて栄養状態がよくなると繁殖を始めます。したがって、針葉樹の実の豊凶によって個体数は増減し、また新天地を求めて大量に移動することが多いです。日本でも年によって長野県、東北地方などで繁殖することがあるほか、冬鳥として渡来するものが少数あります。
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