自然観察ガイド 軽井沢&浅間高原 申込
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北軽井沢&浅間高原の動物

カモシカ イノシシ ツキノワグマ 野うさぎ ヤマネ
たぬき キツネ ニホンサル 日本リス

カモシカ

 うちのスタッフの中で「シシ神」とよばれている動物、それがカモシカです。「シシ神」というのは、アニメ「もののけ姫」に出てくる森の神様です。

 実際に、カモシカと山の中で遭遇すると、人を見ても逃げ出さず、じーっとたたずんでいます。その堂々とした姿がよけいに「シシ神」の雰囲気を醸し出しています。

 また、メスのお腹に双子が入っているとかならず珠(たま)がいっしょに入っているといわれ、カモシカの珠と称して直径6分(約1.82センチ)ぐらいの玉を魔除(まよ)けとして伝えていた家もあったそうです。なんだかカモシカが神秘的な動物に思えてきませんか?
 このカモシカ、山の中だけでなく、冬場は特に、人里近くに降りてくることもあります。3月、国道から少し入ったところの道路脇の斜面で、兄弟でしょうか? 3頭の小柄なカモシカと出会ったことがあります。彼らは、つぶらな瞳で私を観察した後、
(こちらが観察されているのかと思うほど、じーっとこちらを見ています)

 暖かな日だまりの中でひなたぼっこをしはじめました。こんなにのんびりしているのでは、あっという間につかまってしまうのでは? といらぬ心配をしてしまいます。事実、毛皮とカツオ漁業用の擬餌鉤(ぎじばり)に適した角のため乱獲され、一時生息数が激減してしまったそうです。しかし、1955年(昭和30)2月に日本特産種として特別天然記念物
に指定されましたので、数も増えているそうです。良かった良かった。

 鯨もカモシカもそうですが、禁じられた物というのは、実はおいしいんじゃないだろうか? と逆に興味をひいたりしますよね。(私だけかな?)味に関して調べてみると、長野県では、落ち葉のころの肉は木の薫りがするといって「木の葉肉」と呼び、食べると体が温まり、子供のおねしょにも効くと伝られています。また秋田県では小腸は珍味とされ、これを干したものは腹痛に効き、溶かしてつけると腫(は)れ物もすぐに治るそうです。私はある山小屋で、猟師のおじさんがしとめた鹿をいただいたことがあります。

「尻のところの肉が一番うめぇんだよ」

と、言われたお尻肉。実に、じつに美味でした。もはや天然記念物になってしまったカモシカさんのお肉は味わうすべがありません。ああ、残念だ。と常々思っていました。が、道沿いで出会ったカモシカ達の無垢な瞳を見たとき、私は深く反省したのでした。


イノシシ

 イノシシといえば、猪突猛進という言葉が連想されます。皆さんの周辺にも、目標を決めたら脇目もふらず、というイノシシ型の人がいるのではないでしょうか?

 イノシシの場合は、猪突猛進という性格が、敏速に行動して田畑の作物を食い荒す、というあまり喜ばしくない行動に結びついているらしいのです。彼らの食べ物は、キノコ、タケノコ、ユリの根、ヤマイモ、クリ、カシ、シイの実などの植物質のものから、ミミズ、カニ、貝、カエル、ヘビ、鳥の卵などの動物質のものまでありますが、大形動物の死肉を食べるなど、かなりの悪食です。

 人とイノシシの仁義なき戦いは古来から現代までずっと続いてきたのでした。山際に、猪垣(ししがき)と呼ばれるトタン板で作った垣根や石垣を設けたりするところもあります。西三河(愛知県)には1.5メートル以上も石積みして延々数百メートルにも達するも
のまであるそうです。

 宮崎県の山村(西米良村)では、猪待といって1.2〜1.5メートルの高さまで木に登ったり、あるいは胸の高さぐらいまで深く穴を掘って待機し、その出没に備えました。イノシシの為に、畑に万里の長城を作ったり、敵を待ち受ける歩兵のように地中に潜んだり、こうなるとイノシシと人間の知恵比べ、根比べですね。

 そういえば、ブタはイノシシを家畜化したものだって知ってました? 確かにあの体型、顔つきなんかも豚とイノシシはよく似ています。じゃあ豚肉なみに、シシ肉もおいしいんじゃないか? と思っていたら、歴史的にも、日本では古くから食されていた獣肉だそうですね。俗に「山鯨」とよばれてきました。これは、獣肉禁止時代、これを食用とする際の隠語として使用されたものです。

 今では鯨の方が食べることが難しくなってしまいました。いっそ、鯨のことを「海豚」と呼びましょうか? あ、この名前はすでに「イルカ」にとられてましたね。


ツキノワグマ

 ゴールデンウィークや、夏休みともなると、たくさんの観光客で大渋滞となる軽井沢。その高級別荘地の中に、ツキノワグマが出現すると聞いたら、皆さんは驚くでしょうか?
 出るんです。
 それも頻繁に。

 ツキノワグマが一体何に用があるのかというと、別荘地から出されるゴミです。クマ達は、夏の時期、簡単に餌を得られる場所として、ゴミ捨て場を覚えてしまうのです。

 ゴミ捨て場を覚えてしまったクマは、何度でもやってきます。そして、別荘で暮らす人たちとニアミスを繰り返しているわけですが、この習慣をやめさせようと、星野温泉にある「ピッキオ」という団体がクマの捕獲、調査をおこなっています。

 クマが良く来るというゴミ捨て場の横にドラム缶を2つ繋げたような罠をしかけます。クマが餌に誘われて、入ると扉がガシャンと落ちる仕掛け。この時に使われる餌は「はちみつ」だそうです。クマのプーさんは正しかったんですね。そして、捕まったクマは、人間の怖さを教える為に「おしおき」をして山に返します。


野うさぎ

「うさぎは淋しいと死んじゃうんだから!」

と言ったのは、確かドラマ「一つ屋根の下」(「星の金貨」だったかな?)の酒井法子でした。

 ほんとうでしょうか? 

 ウサギに「淋しい」という感情があるかどうかは不明ですが、なんとなく、臆病というか、かよわい風情があるのは確かです。そんな雰囲気も、ウサギの過酷な生活を見てみると、納得がいきます。

 まず、第一に、ウサギは完璧なベジタリアンであるにもかかわらず、ウサギを食べようとねらっている動物は、キツネ、テン、タカ、フクロウのようにたくさんいるということです。
 そして第二。ウサギは鋭い牙や爪という戦う道具も持っていない。穴を掘って身を隠すことさえできません。おまけにウサギは見るからにやわらかそうで、おいしそうです。「子供ふれあい牧場」においては長所となるこの外見も、四方八方を敵に囲まれた自然界においては不利な条件です。

 がんばれ! うざぎ!
 まけるな! うさぎ!

 しかし、そんな声援に応えるように、ウサギもいくつかの特権が与えられました。敵をすばやく見つけるための鋭い聴覚と、「脱兎のごとく」といわれるように、逃げ足の早さです。そして、1年に3.4回も出産することによって、種族を絶やさないようにしているのです。
 家や動物園で飼っているウサギは「カイウサギ」という種類で、野ウサギとは、習性なども違います。カイウサギの生まれた子供は毛も生えておらず、裸で目も開いていませんが、野ウサギの子供は毛で覆われており、目も開いていて、生後すぐに走ることもできます。おまけに母ウサギは、出産後数日間、夜だけ授乳に巣へ戻ってくるだけで、子供は生まれたその日から一人暮らしをはじめるのです。大学の入学式にもついていくような人間の母親が見たら、卒倒しそうな放任主義です。
 こんな生活を見ると、野うさぎは「淋しくて死んじゃう」ほど甘ったれてはいないのですね。むしろその、けなげな姿に感動させられます。皆さんも、北軽井沢で野ウサギと出会ったら(野ウサギは夜行性なので、出会うのは難しいですが)温かい目で声援を送ってください。


ヤマネ

 ヤマネは日本固有の天然記念物に指定されています。リスのような、長い毛の生えたしっぽを持ったネズミの一種です。重さは単三の乾電池一本分しかありません(25〜40グラム)とにかく、「ちっちゃくて、かわいくて、めずらしい」動物なのです。ヤマネの普段の体温は、人の体温とほぼ同じくらい(37度近く)ですが、冬になると体温を0度近くま
で下げてほとんど仮死状態となって冬眠します。そのため、冬眠中の代謝量が少なくてすむので、11月上旬から4月下旬までの半年近くを飲まず食わずで過ごしていけるのです。ごくたまに、農家や別荘地の物置のカゴの中などに冬眠していることもあるらしいですが、みつけたらそっとしておいてあげましょう。冬眠途中で目覚めてしまうことは、ヤマネの生命にとって、とても危険なことなのです。それにしても、あの小さな体で半年も飲まず食わずで平気、というのは驚きです。もちろん冬眠前にはさんざん食いだめするのでしょうが、人間というのは残酷なもので、古代ローマでは、冬眠前のヤマネ(オオヤマネ)を美味な食物として珍重していたそうです。

 その可愛らしい姿のせいか、秋田県の「またぎ」は、ヤマネのことを、「コダマネズミ」と呼んでいました。コダマとは「木の霊」の意でしょう。ヨーロッパのアルプス周辺地方でも、ヤマネは神秘的な動物とされていましたが、ユーゴスラビアのゴットシェーでは悪魔と称しています。人によって、民族によって、受け取り方も様々ですね。


たぬき

タヌキ 某スタッフの実家、群馬県館林市には、民話「分福茶釜」で有名な「茂林寺」というお寺があります。 そこには、巨大な茶釜があります。住職さんが証言するには、その茶釜は昔、タヌキだったことがあり、満月の晩には、ぽんぽこぽんと自分のお腹をたたいていたそうです。まぁ、世の中には科学ではわりきれない物も存在するわけです。
 昔話や民話に登場する動物の中でも、タヌキはナンバー1.2を争っているのではないでしょうか? タヌキは、はずんぐりしている体型や、太い尾、また短い足のため、イヌ科の中で、もっとも走行に適していないそうです。そして、肉をかみ切るために食肉類に発達した裂肉歯と犬歯があまり発達していません。なんだか、クラスの落ちこぼれみたいな扱われ方ですが、こんなタヌキにも、他の動物たちが、あっと驚く得意技がありました。それは、「たぬき寝入り」です。なんだか、必殺技でさえまぬけな感じがしますが、これは本当にタヌキに備わった習性なのです。
 タヌキは急に驚かされると、仮死状態のようになることがあります。一見仮死状態のようですが、完全な失神状態ではなく脳はある程度目覚めているのです。そして、相手が油断した頃、起き出して逃げます。これが、古来「たぬき寝入り」とよばれて死にまねとみられたり、キツネと同様に人を化かすという言い伝えのもとになっています。なんだかタヌキらしいというか、ほほえましい習性ですね。
 ユーモラスなキャラクターで有名なタヌキですが、タヌキは怪談話のジャンルにも顔をだしています。それは、「タヌキ憑き」というものです。「キツネ憑き」とどう違うのかというと、タヌキに憑かれると、やたらに大食して腹ばかり膨れ、ついには体が衰弱して命を落とすそうです。

 ああ恐ろしい。
 あれ? あまり怖くなかったですか?

 どうもタヌキの事になると、なかなかシリアスにはなりませんね。けれども、タヌキに憑かれた人は、祈祷師に頼んでこれを落としてもらうそうです。佐渡では山伏に頼むといいます。 また「お四つさん」といって、タヌキに食物を与えて自分の仇敵に憑かせることもあります。徳島県にはタヌキの話が多く、憑いて困るタヌキを祀り込めた洞穴(祠)が各地にあります。タヌキをめぐって旅をするのもまたおもしろいかもしれませんね。


キツネ

「赤いきつねと緑のたぬき」などと、常にタヌキとコンビを組んでいるように親しまれているキツネですが、時速48キロで走り、2メートルの垣根を飛び越すことができ、泳ぎも巧み、また、ある程度木にも登れる、というクラスの優等生のような能力に恵まれています。

 村里に現れ、人家にも近づきます。その挙動に人々はさまざまな神秘性を感じてきました。鳴き声もなにかの前兆とされ、遠鳴きすると異変があるとか、コンコン鳴くのは吉兆で、ギャーギャー、カイカイなどと鳴くのは凶兆といいます。また、鳴き声を聞くと不吉なことがあるとして恐れる伝えもあり、キツネには変事を予知する力があると考えていました。

 またキツネが人間、とくに若い女性に化けるという話は中国や日本に多いですが、逆にヨーロッパでは女がキツネに変身する話が多く、魔女がキツネに変身することがあるといいます。

 多くの神社にお稲荷様として奉られていることの多いキツネですが、稲荷信仰の基本は、キツネの穴だったそうです。京都市伏見(ふしみ)区の稲荷大社でも、キツネを専女三狐神(とうめさんこしん)と称して三狐社に祀(まつ)っていますが、社殿の後ろのキツネの穴を「オアナ様」とよんで信仰しています。田の神の祭場といわれる狐塚にも、キツネの穴のあったものがあります。水田地帯にもすむため、稲の神と結び付きやすかったのです。 
 北軽井沢では、キャベツ畑や林道で見かけることがあります。北海道には「観光ギツネ」と呼ばれる、観光客から餌をもらおうと、自分から近づいていくキツネもいますが、北軽のキツネはまだ野性味があって、「人から餌をもらうなんてとんでもない!」と言う感じで遠ざかってゆきます。

 以前、「グリコ・森永事件」の時に「キツネ目の男」というのが全国に報道されましたね。キツネ目なんていうと、いかにもずる賢いような、意地悪そうな印象ですが、実際に見たキツネのキツネ目は、なかなか涼しげでかっこよかったですよ。


ニホンサル

 日本列島には3種類の霊長類が生息しています。一つはニホンザル。そして、タイワンザル。残った一つのサルは「ヒト」です。そう思うと、サルがぐっと身近に思えてきませんか? 

 サルは集団で生活する動物です。よく、人間社会に似ていると言われますが、ニホンザルの社会は、群れと、それに所属しないヒトリザルとの二つの要素で構成されています。群れで生まれた雄は、性成熟前後のある時点で、ほとんどの個体がその群れを離脱してヒトリザルになります。一方雌は、群れの分裂でもない限り、終生生まれ育った出自群にとどまります。つまり群れは雌の血縁を通じて連なる母系集団です。雌の間では母と娘の結び付きは強く、終生その認知は保たれています。 まるで、ドラマ「渡る世間は鬼ばかり」ですね。

 サルは人間の祖先というだけあって、独特の文化を持っています。文化というのは、生まれつき持っている能力とは別に、何かのきっかけで身につけた行動で、仲間から仲間へと伝えられているものをいいます。たとえば、「温泉に入るサル」も文化を持ったサルですし、木の葉をコップの代わりにして水を飲むオランウータンも文化を持っているといえます。芋を洗ってから食べる文化を持ったサルたちもいます。

 また、ニホンザルがコミュニケーションの為に発する音声は、30種類以上あると言われています。イルカも歌を歌ったり、超音波で会話らしきものをしているそうです。私たちが思っている以上に、動物たちの能力というのは高いのかもしれませんね。何しろ、その動物の一種類である人間が、コンピューターを作ったり、車を運転したりしているのですから。


日本リス

 日本栗鼠。哺乳綱齧歯目リス科。ホンドリスともいいます。本州、四国、九州の平地から高山帯までの針葉樹林、内部に針葉樹を含む雑木林に生息します。体長15〜22センチ、尾長13〜17センチ。

 樹上生活者で、樹上を敏捷に動き回ります。日中、とくに早朝に活動し、ハシバミやクルミなどの堅果のほか、種子、果実、芽、昆虫などを食べます。

 夏から秋にかけては堅果や種子を頻繁に地上に運び、穴を掘って埋めます。貯蔵場所は大まかに記憶しておき、食物の不足する冬になりますと、個々の実をにおいで捜し当て、掘り出して食べます。北軽井沢や浅間高原では、どの家の庭先にも現れます。秋になると道路に栗の実が落ち、それをセッセと集めるリスがわんさかいます。
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